2019年9月4日(水)、株式会社QPS研究所様(以下QPS研究所)と
Fusicにて合同勉強会を開催いたしました。
以下、勉強会に参加した弊社技術開発部門コアテックエンジニア 高瀬 昭弘のレポートです。
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こんにちは!技術開発部門の高瀬です。
今回は弊社で開催された、QPS研究所様との合同勉強会の様子をお伝えします。
QPS研究所といえば小型SAR衛星初号機『イザナギ』の打ち上げが発表されたばかりで、
今とっても勢いのある宇宙系ベンチャー企業です。
衛星の新名称と初号機の打ち上げ発表
https://i-qps.net/news/131
弊社はWebシステム開発、 QPS研究所は人工衛星の開発を主軸に事業を展開しているため
普段は異なる業界にいるのですが、ご縁があってQPS研究所様が手掛ける小型SAR衛星運用システムの開発を
お手伝いさせていただく機会をいただきました。
その繋がりから「宇宙×Web」という大変興味深い勉強会が誕生したのです。
発表内容については登壇者各々が様々な工夫を凝らしており、
両社が普段どういったことに携わっているのかが非常にわかりやすく、ワクワク感を喚起させるものばかりでした!
では前置きはこのあたりして、登壇された皆さんの発表をダイジェストでお伝えいたします。
【大学での衛星開発について】大西さん(QPS研究所 CEO)
第1発表者はQPS研究所のCEOである大西さんです。
発表内容には衛星開発にまつわる、おもしろい雑学が散りばめられていました。
クイズ形式の内容であったため、聞き手とのコミュニケーションが生まれ、よい感じに場が温まったと思います。
さすがはQPS研究所の代表といった印象でした!
一瞬にして会場全体にワクワク感を浸透させてしまいました。
↓聞き手にやさしく語りかける大西さん
今回も「わかりやすい!おもしろい!」プレゼンを展開し、その類まれな才能を余すことなく発揮してくれました。
クラウドの料金体系を水道料金(使った分だけ請求される)に例える解説は秀逸で、
普段からクラウドを使ってWebサービスを開発している私も思わず唸ってしまいます。
↓今日も絶好調の毛利
【 C&DHについて】村山さん(QPS研究所 研究員)
ソフトウェアエンジニアとして圧倒的な技術と経験を持つ村山さんによる衛星の内部構造のお話です。
衛星の運用には電源管理、姿勢制御、C&DH(Command & Data Handling)といった技術が必須となります。
エネルギー(電力)と時間(24時間通信できるわけではない)の厳しい制約の中で如何に不具合なく衛星を運用するか、
そのシビアさを垣間見れる、とても興味深い内容でした。
そしていま機械学習エンジニアとして活躍する濱野は、機械学習を取り巻く昨今の情勢と、
今何ができるようになっているのかを実例を交えながら詳しく紹介してくれました。
SAR衛星が収集する地表データはモノクロで画像化されるのですが、
機械学習技術で色を付けることができれば比較的容易に地形の判別を行えるようになるとの期待もあります。
入社以前からインターンとして弊社開発案件に参加しており、
当時からソフトウェアエンジニアとして強い存在感を放っていました。
RubyのJITコンパイラと静的解析について解説する彼の姿からは頼もしさを感じます。
↓期待の新星、畠中
【衛星地上局】古賀さん(QPS研究所 研究員)
衛星と通信を行う拠点は「地上局」と呼ばれます。
この地上局にパラボナアンテナを設置して、遥か上空を秒速数キロメートルという
途轍もないスピードで移動する衛星と通信を行うのですが、通信と一口に言っても単純な話ではありません。
使用する周波数の選択(周波数帯によっては天候の影響を受けやすくなります)、無線免許の取得、
電波干渉を回避するための関係各所との調整、そして通信回路設計など、実現までの道のりはとっても長く険しいのです。
↓圧倒的な信頼感と高い技術力を兼ね備える古賀さん
【おわりに】
初開催ということもあり、どのような勉強会になるのか予測が難しかったのですが、
地表データを画像化する際に機械学習を利用して色付けを行うなど、早速おもしろいアイデアが出てきました。
手探りな部分もあったかと思いますが、両社が普段どういったことに取り組んでいるのか、
当事者の方々から詳しくお話を聞けたことで、宇宙とWebの世界がうまく繋がったのではないかと思います。
第2回も開催を予定していますので、その折にはワクワク感マシマシで情報をお届けできればと思います!