5月11日(木)~13日(土)に長野県松本市で、RubyKaigi 2023 が開催されました。
Fusicからは5名のRubyistが参加しましたので、道中の様子をレポートします。
参加したメンバー
当社からは以下5名のRubyistが参加しました。
- 技術開発第二部門 / エンジニア 藤澤 亮平
- 技術開発第二部門 / エンジニア 苑田 朝彰
- 技術開発第二部門 / エンジニア 山路 直人
- 先進技術部門 / プリンシパルエンジニア 岡嵜 雄平
- 先進技術部門 / エンジニア 花園 楽志
0日目
今年は長野県松本市で開催とのことで、前日に現地へ移動しました。
実は福岡〜松本はフジドリームエアラインズによる直行便があります。
空港の保安検査で花園のズボンのポケットからなぜか麻雀牌が出てきたり(笑)、
搭乗直前に山路が搭乗券を紛失したり(ギリギリでリュックの中から見つかった)
不穏なハプニングが続く中、なんとか飛行機に乗り込み、信州まつもと空港に到着しました。
この日は岡嵜のみ現地で別のイベントに参加する予定だったので、到着から夜まで別行動をしていました。
まずは単独で松本市内の散策です。
なわて通り商店街を横目に、松本城へ向かいました。
街を歩いているとバーやカフェなどおしゃれなお店が多いのが印象的でした。
松本城は五重六回の木造天守です。
ギリギリ最終入場に間に合ったので天守内を見学することができました。
松本城を出てJR松本駅に行くと、RubyKaigi参加者に向けた横断幕を見ることができました。
テンションが上がりますね。
ちなみに、岡嵜以外の4人は松本駅近辺で見つけたバーで前哨戦をしていたそうです。
1日目
Matzのキーノートをはじめ、様々なセッションを聴講しました。
印象に残ったセッション
- "Ractor" reconsidered(参加者: 藤澤)
Ractorを利用した並列処理、またパーサーについてのセッションに参加してきました。
特に昨年RubyKaigi2022で知ったMaNyProjectについて発表されていたSaSadaさんのセッションが印象に残りました。
GCでRactorの処理が止まってしまう事や、Ractor.selectがO(N)のオーダーになってしまう事など
Ractorの現状についての内容を発表されていました。
今後上記のような問題に対してどう解決していくのか、
そしてM:Nスケジューラでスレッド生成ができる未来を楽しみにしています。
ランチ
お昼ごはんは会場で提供されていたお弁当を手に取り、あがたの森公園 という公園で食べました。
背の高い木がたくさんあったり、旧松本高等学校の校舎が見られたり、景観の美しい公園でした。
夜
夜はOfficial Partyに参加し、多くのRubyist達と親交を深めました。
終わった後は他社のRubyistと一緒にバーで語り合いました。
2日目
2日目はパフォーマンスチューニング、パーサーといった尖ったセッションが多くあった印象です。
印象に残ったセッション
このセッションでは、現行のRubyには存在しない "++" 演算子をどのように実装したのか、
非常にわかりやすくまとめられていました。
Rubyの実装の中でも鬼門とされる、パーサーをカスタマイズすることで "++" 演算子を実現していました。
"++" 演算子という、他言語では珍しくない演算子を実装しているにも関わらず、
なかなか完璧な実装にたどり着けずに様々なアプローチにトライしていたことが印象的なトークでした。
完成した言語に「Ruby++」という名前を付けるオチまで含めて非常に完成度の高い発表でした。
ランチ
2日目は他社の若手エンジニアと4人組を作ってご飯を食べに行くという、
アンオフィシャルなイベントに参加していました。
当社で行っている1on1on1と似ていますね。
他社のエンジニアと技術やカルチャー、採用についてお話ができて楽しかったです。
夜
夜はRIZAP Drinkup at RubyKaigi 2023 に参加して、美味しい馬肉を堪能しました。
3日目
RubyKaigi 2023もいよいよ最終日です。
印象に残ったセッション
Rubyの静的型定義ツール、RBS/SteepとRBI/Sorbetの比較についてのセッションに参加しました。
セッションでは、SteepとSorbetを実行速度やコードの書きやすさといった視点から比較していました。
私自身、静的型定義ツールを本番のプロジェクトで使った経験はないので、
ツールを導入する際に何を確認すべきかという話は新鮮で、とても参考になりました。
ランチ
藤澤、苑田、岡嵜は「蕎麦きり みよた」というお店を訪れて、
RubyKaigi 2023で配布されたバウチャーを使って美味しい蕎麦を食べました。
4日目
3日目を夜遅くまで満喫したので、ホテルをギリギリにチェックアウトして、まっすぐ駅に向かいました。
お土産を買って空港へのバスにギリギリ乗り込み、飛行機で帰福しました。
余談ですが、帰りの飛行機に登場する直前にも山路(直)が航空券を失くしました。
今回は最後まで見つけることができなかったのですが、身分証明をしてなんとか飛行機に乗れてよかったです。
感想
藤澤
昨年のRubyKaigi2022に続いて、2度目のオフラインでの参加ができました。
今年のRubyKaigi2023は、昨年のRubyKaigi2022で面白いなと思った分野に絞ってセッションを聴講し、
空いた時間でセッションの内容の整理など行ってみましたが、結果的にとても有意義な時間となりました。
また、RubyMusicMixinで他社のエンジニアさんとお話しする事もでき、とても楽しかったです!
来年の沖縄での開催も楽しみしています!
花園
組み込み分野でRubyを採用する利点について理解することができ、今後使ってみたいなと思いました(あわよくば登壇も)。
また、同年代のエンジニアと話すことで刺激を得ることができました。
今後は来年の参加に向けて処理系についての見識を深めて行きたいなと思います。
苑田
RubyKaigi初参戦でしたが、Rubyの奥深さに触れることができ、社外のエンジニアとの交流も楽しめました。
その結果、Rubyに対するモチベーションが高まりました。
来年のRubyKaigiにも参加する予定ですので、今年1年は内容を理解できるように修行していきたいと思います。
山路(直)
昨年のRubyKaigi2022に続き2度目の参加でしたが、理解できる点が増えていたので、より楽しめました。
RubyKaigiでの登壇は一つの目標ではありますが、
現地で優秀なエンジニアの方々とお話しすることができ、
まずは地道にエンジニアとしての基礎能力を向上させていきたいと思いました。
岡嵜
オフラインではRubyKaigi 2019(福岡で開催)以来のRubyKaigiでした。
コミュニティで関わりのある方々が登壇してRubyについて熱いトークをしていて、
いつか自分もあの場所に立ちたいと思いました。
今回のRubyKaigi中に一番嬉しかった出来事は自分が公開しているOSSを利用している海外のRubyistと直接会話できたことです。
これからもっとRubyのコードを書いて世の中に爪跡を残していきたいです。
おわりに
RubyKaigi 2023で学んだこと・感じたことは、今後の開発に活かしていきたいです。
ちなみに来年のRubyKaigi 2024は沖縄県那覇市で開催予定です。
来年は当社からももっと多くのエンジニアが参加してワイワイ盛り上がれるんだろうなと、今からワクワクしています。
後日追記: ノベルティのキーボードを作りました
必要な部品を買い揃えて、みんなでワイワイガヤガヤ組み立てていきました。