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WHAT IS Fusic DOING?Fusicってなんしようと?

福岡大学開催 集中講義『社会数理・情報特論』に参加しました

2024.08.27

イベントレポート

2024年8月5日(月)〜9日(金)、福岡大学で開催された集中講義『社会数理・情報特論』に、課題提供企業として参加しました。

この講義は、内閣府の『量子未来社会ビジョン』に基づく量子人材育成の一環として、ハンズオン形式で開催されました。


福岡大学での開催は、2024年4月に東北大学で実施された『量子ソリューション創出論』の短期集中版として位置付けられており、東北大学大学院情報科学研究科の大関 真之教授が招かれ、量子アニーリングを用いた問題解決手法などの講義が行われました。


当社からは、執行役員事業本部長の濱野が7日・9日に参加してきたので、その様子をレポートします。





講義の流れ

5日・6日には、大関先生によるアニーリングに関する講義が行われました。

当社は、7日(水)の9時から会社説明と質疑応答を担当し、その後、Fusicが実際に直面している課題を学生たちに提示しました。

参加者は福岡大学の学生40名で、5人1組の計8グループに分かれ、それぞれのグループが7日の午後から8日にかけて課題の解決策を考案しました。

最終的な成果発表は、9日(金)の9時から実施されました。



提供した課題

Fusicから提供した課題は以下の2つです。


1. 1on1on1の人員マッチング

1on1on1」は、社員をランダムに3人ずつ選び、各組がランチや短時間の会話をするFusic独自の社内コミュニケーション活性化のための取り組みです。

現在、Botによるマッチングが行われていますが、過去の組み合わせ、所属組織や関係性を考慮していないため、普段からよく話す人と再度マッチングすることが多く発生する点が課題となっています。


そこで、以下の要件でのマッチングを課題として提供しました。


  • 普段、業務上関わりの少ない人とマッチングする
  • 前週にマッチングした人とはマッチングされないようにする
  • 以前同じチームだった人とのマッチングを歓迎する


2. 360(さんろくまる)の組み合わせ最適化

Fusicでは、半期に一度、自社プロダクト『360(さんろくまる)』を利用し、全社員の360度フィードバックを実施していますが、このフィードバックの組み合わせ作成は非常に手間がかかります。

評価者は、フィードバックの対象者とある程度関係性が深い人でなければなりません。

関係が深い人が評価に加わることが望ましい一方で、評価対象人数が増えると候補者数は膨大になるため、その組み合わせの調整が難しいという課題があります。


具体的には、以下の要望を出しました。


  • 同じチームの人を必ず評価する
  • 直属の上司は必ず部下を評価する
  • 直属の上司を必ず評価する
  • 参画しているプロジェクトのメンバーはできるだけお互いを評価する



課題説明後のセッション

課題の説明後には、アイスブレイクとして講師の第一印象の発表や、課題に関する質疑応答が行われました。

学生たちは、熱心に質問を投げかけ、解決策を模索してくれました。



成果発表

8チームそれぞれ、Microsoft PowerPointを使用してプレゼンテーションを作成してくれました。

多くのチームはD-Wave社が提供する量子アニーリングマシンを使って、最適化問題を解決してくれました。

1チームだけ量子アニーリングではなく線形計画問題として解いた問題をプレゼンしていたのですが、量子アニーリングでも実験した上で線形計画問題を選択したとのことでした。膨大な実験量に、頭が上がりません。

多くのチームが夜遅くまで実装・実験を繰り返したと、眠そうな目をこすりながらも、いきいきと語ってくれました。

最初は、提示した課題が難しすぎたかもしれないとも思いましたが、徐々に、学生たちのクリエイティビティが存分に発揮されたことがわかってきました。


多くのチームは出された問題をそのまま解くのではなく、自分たちで問題を噛み砕いたうえで、解決したい課題にフォーカスしたソリューションを提案してくれました。


  • 1on1on1には、MBTI(*1)の相性を使うのが良いのではないか?
  • 1on1on1 ではなく 2on2にしたほうが良いのではないか?
  • そもそも、会社で実施している1on1on1プロジェクトについて、組み合わせ最適化を利用したマッチングができるのではないか?


など、今まで思いつかなかったような提案が多く、目から鱗でした。


「テクノロジーカンパニーとして、技術と社会の架け橋となり課題解決に貢献する。」

お客様の要望の背景を理解し、最適解を提案するという、Fusicのあるべき姿をこの授業の中に見つけた気がしました。


*1:MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)は、個人の性格や行動パターンを16種類のタイプに分類する性格検査のこと。





まとめ

今回の講義を通じて、学生たちと共に課題解決に取り組むことで、新たな視点やアイデアを得ることができました。

また、寝る時間を惜しんで課題に取り組む学生たちをみて、大人になるにつれ忘れかけていた、無心に頑張ることの重要性にも改めて気づくことができました。


このような機会をいただき、東北大学の大関先生、福岡大学理学部応用数学科の一木 輝久先生をはじめ、関係者の皆様にお礼を申し上げます。