皆さんこんにちは、宇宙事業開発担当の武田です。
2026年7月6日(月)〜9日(木)の4日間、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された「SPACETIDE 2026」に、AWS Partner Network枠で参画してきました。今年で11回目となる本イベントは、「Unlocking Space for All Humanity/すべての人のために宇宙を拓く」をテーマに掲げ、過去最多となる海外ミッションの参加があり、欧州・アジア太平洋地域(APAC)から、政府機関、宇宙機関、業界団体を中心とした多様な代表団が来日されていました。そんな国際色あふれるイベントの様子をレポートしたいと思います。
▶ 参画に関する事前告知: https://fusic.co.jp/news/1067
SPACETIDEについて
2015年に日本初の宇宙カンファレンスを開催して、今年で11回目を迎えるSPACETIDEは、一般社団法人SPACETIDEが主催する、アジア太平洋地域最大級の国際宇宙ビジネスカンファレンスです。政府機関、宇宙機関、業界団体、スタートアップから大企業まで、国内外問わず宇宙産業に関わる多様なプレイヤーが一堂に会します。日本政府の宇宙戦略基金や、AI×宇宙開発の最前線、安全保障とビジネスの共生など、宇宙産業の持続的成長を左右する重要テーマを網羅したプログラムが特徴です。Fusicは、AWSを中核としたクラウド・生成AI実装を強みに、宇宙ビジネスを支えるソフトウェアパートナーとしてのプレゼンス向上を図るとともに、国内外の宇宙関連企業・機関との技術交流や協業の可能性を広げることを目的として参画しています。「宇宙×クラウド」をテーマに、衛星運用・管理プラットフォームの事例、衛星データ利活用基盤、AI・機械学習を活用した解析・業務支援の3つのソリューションを事例とともに紹介しました。
このイベントの特徴の一つが、国内外の宇宙産業のキーマンや話題の各社が出展・登壇することです。今年は、内閣府特命担当大臣(宇宙政策)の小野田紀美大臣が初日に登壇されたほか、2日目には小池百合子東京都知事も登壇され、宇宙産業のトレンドやスタートアップへの期待、東京都の取り組みについてお話しされました。そのほか、JAXA理事長 山川宏氏や、内閣府 宇宙開発戦略推進事務局の風木淳氏など、国内の宇宙政策や宇宙産業を牽引するキーパーソンが多数登壇されました。
海外からも名だたる企業が来日し、地上局アンテナネットワークを展開するSSC(Swedish Space Corporation)やKSAT(Kongsberg Satellite Services)、Rocket Lab、韓国の宇宙関連企業などのブースが並んでいました。国内企業では、宇宙環境利用におけるレーザー技術が強みのPower Laser、人工流れ星で知られるALEなど、幅広い顔ぶれが印象的でした。
NTUとのMoU締結
イベント初日の7月6日(月)には、シンガポール・南洋理工大学(NTU Singapore)の衛星研究センター(SaRC)と、「Future Ground Station」と題した次世代地上局技術の共同探索に向けた覚書(MoU)を締結しました。メイン会場にて、JAXA山川理事長およびシンガポール国家宇宙庁(NSAS)にもご立会いいただき、調印式を執り行いました。▶ ニュースリリース:https://fusic.co.jp/news/1074
Fusicを代表して代表取締役社長の納富貞嘉が、NTU SaRCを代表してエグゼクティブディレクターの Lim Wee Seng氏とともにメイン会場のステージにて調印いたしました。日本とシンガポールの外交関係樹立60周年という節目の年に、両国の関連機関による宇宙分野の連携が今回のSPACETIDE 2026で相次いで発表され(NSASとJAXAによる協力覚書、日星の航空宇宙産業団体間のMoUなど)、今回のFusic-NTUのMoU締結もその一翼を担う形となりました。
小型衛星コンステレーションの急速な拡大に伴い、衛星地上局の運用には、リアルタイムでの通信データ解析、複数衛星の同時管制、異常検知の自動化など、従来のシステムでは対応が難しい課題が増えています。今回のMoUでは、衛星ミッション運用に関するNTU SaRCの知見と、Fusicが持つクラウド・生成AI実装の技術を掛け合わせ、まずは地上局技術の共同研究・探索を一緒に進めていけたらと思っています。今後は、さらなるディスカッションを通して技術的な検討や日本・シンガポール間の産学連携モデルの構築、人材育成に向けた協議なども視野に入れていけたらと思います。
Fusicブースの様子
Fusicは今回、AWS Partner Network枠で参画しました。ブースでは、AWSを基盤としたクラウドインテグレーションや生成AI実装を強みに、衛星運用・管理プラットフォームや衛星データ利活用基盤、AI・生成AIを活用した解析・業務支援など、宇宙関連の政府機関・企業のシステム開発を支援している旨をご説明しました。
直近の事例として、QPS研究所様向けに開発・納品した「人工衛星モニタリングダッシュボード」をご紹介しました。お話しする中で、衛星事業者は運用の効率化について各社同様の課題意識を持っているように感じました。特に、テレメトリデータを効率的に蓄積するアーカイブ基盤や、衛星ごとの個体差・仕様変更を吸収できる高拡張な設定については、国内外問わず需要がありそうな反応をいただきました。
また、衛星との通信・データのダウンリンク・処理をAWS上で構築・利用できる「Atmosphere」もご紹介しました。システムの中身をカスタマイズできることから、ミッションの高度化やコンステレーションの構築を今後検討したい事業者様には、特に興味を持っていただけたように感じます。
最後に
私は今回初参加でしたが、国際色豊かな参加者と登壇者、セッションの質が非常に高いイベントだなと感じました。各社のブースにて説明いただくなど技術的なインプットももちろんですが、国の政策や国際連携などハイレイヤーでのディスカッションが目の前で行われる様は非常に学ぶことが多かったです。既に案件等お話しさせていただいている企業さまも多く来場されており、改めて宇宙産業のエコシステムの中でFusicがどういうプレーヤーになっていけるのかを考察するいい機会になりました。登壇にて小野田大臣も、国際競争しつつ、宇宙先進国の一角として国際連携も産官学の連携も力を入れていくという趣旨のお話をされていましたので、Fusicが得意とするソフトウェアやクラウドの技術が宇宙産業の基盤の一助になれたら良いなと思いました。