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AWS未経験から本番システムの構築ができるまで!内製化を叶えるクラウドジャーニーの道筋 株式会社佐賀銀行

2024.01.23

Webシステム(業務システム系)

株式会社佐賀銀行 

https://www.sagabank.co.jp/

インタビュイー:

業務統括本部 システム部

 石橋 健一郎 様

 平島 和彦 様

 嬉野 泰彦 様

 末永 心 様



開発事例:クラウドジャーニープロジェクト(クラウドシステム開発における内製化支援)



プロジェクト開始当時の状況や課題感

Fusic清家)佐賀銀行さまは、AWS未経験から本番システムの内製構築を2年間で達成するという素晴らしいクラウドジャーニーを達成されています。
今回はその過程でFusicが提供させてもらったプログラムや、その後の内製化に関するお話をお伺いさせていただきます。


石橋様)はい。まずは、2年前、AWS未経験だったころの状況や課題感についてお話します。

銀行で使うシステムはオンプレの基幹システム(勘定系)の開発・保守や勘定系を補完する「サブシステム」を外部のベンダーから調達・保守していくことが主な業務でした。
特に勘定系システムはある程度機能を作り込まれており、私たちは機能追加を行う程度でした。
しかし、システム部もサブシステムの内製化に舵を切ることになり、これに向け新しいメンバーを次々と迎え、自分たちで一から考えて構築したものが実際に動くという達成感・喜びを彼らに味わってもらいたいという想いが生まれました。
内製化やクラウド移行を目指していく近年の潮流とも合致し、私たちのクラウドジャーニーがスタートしました。


平島様)FusicさんがAWSパートナーであり、高い技術力を持っていることは以前から知っていましたし、やはり佐賀と福岡という顔を合わせられる距離にいることはとても心強く思い、支援をお願いしました。

Fusicさんからはまず、APN Immersion Dayを実施してもらいました。
AWSの概要やEC2・S3の設定、ネットワークの設定などをハンズオンも交えながら学ぶことができるワークショップでしたが、この評判がとてもよかったです。
より佐賀銀行の実態に合ったサポートもしてもらいたいと思い、内製化支援プログラムをその後お願いしました。





Fusicが提供した内製化支援プログラムの内容・感想
末永様)内製化支援プログラムでは、佐賀銀行の抱える課題をクラウドでどう解決するか、という視点で実施してもらいました。
APN Immersion Dayや、そのほかに実施した研修プログラムは、決まった手順で進めていけばよいものでしたが、内製化支援プログラムは、解決すべき課題自体をワークショップ形式で洗い出すことからスタートしました。
参加メンバー全員で話し合いながら、模造紙に付箋で課題を貼っていき、クラウドで解決すべきことを見出していきました。

嬉野様)ワークショップを経て、「銀行内の資料を一箇所に集約し検索できるシステム」を実際に開発することになりました。
メンバーがこれまで不便に感じていた、銀行内のデータや書式が点在してしまい、ほしい情報がすぐに見つからないという課題を解決するためのシステムです。
扱うのは内部資料であるため、セキュリティを担保できるように、要件定義でたくさん議論をしたことが記憶に残っています。
ワークショップは2日間で実施し、要件定義がある程度完了した状態となりました。

嬉野様)設計に入ってからは、参加メンバーが自分たちで設計を考えてみて、質問や課題感は都度Fusicさんにチャットやオンラインミーティングで相談しながら進めていきました。
速く正確なレスポンスがもらえるのでとても助かりました。
わからなかったところは、メンバー自ら調べたり検証してみたりなど、能動的なスキルアップに取り組んでいました。
最終的にはシステムも完成し、報告会を実施することができました。
ただ作るだけではなく、クラウドだからこその機能も盛り込みたくなって、仕様に私のわがままも少しばかり反映してもらいました。

石橋様)Fusicさんは、手取り足取り教えるというよりは、自ら考えられるようになるための道筋を示してくれているように感じました。
そのおかげで、参加メンバーも深い興味関心を持ち、取り組むことができていました。
これは内製化を目指すために非常に重要なポイントだと感じています。

平島様)APN Immersion Dayでのワークショップで、まずはAWSをどう触るのかを知り、その後の内製化支援プログラムで自ら課題を特定しシステムを作ってみるという流れで進められたのはとても良かったと感じています。
 APN Immersion Dayでの基礎があったからこそ、実際の構築段階で質の良い議論を参加メンバーで交わせていました



その後のクラウドジャーニー
平島様)「リフトアンドシフト」の概念ですが、まずは既存の業務をクラウドでそのまま再現し(リフト)、その後クラウドに最適化していく(シフト)という流れが、内製化支援プログラムの中でも実現されていたと思います。
参加メンバーも、AWSを触ったことがない段階から、自ら要件定義・設計をし、そしてアーキテクチャの改善もできるようになるという成長を遂げてくれました。
Fusicさんのご支援が終わったあとには、大きく分けて2つの取り組みが生まれました。
1つ目は、銀行業務用システムのクラウドでの実装です。
すでにAWS活用の内製化が進んでいる他行さんに学ばせていただき、佐賀銀行でも導入しました。
2つ目は、生成AIの活用です。行内で利用できるヘルプボットのような形で導入できないかを検証しています。

末永様)生成AIプロジェクトは私も関わっているのですが、Fusicさんの内製化支援プログラムでの経験が活きていると感じています。
後輩にあたるメンバーも増え、やる側から教える側に回り、Fusicさんから教えてもらったことを同じようにチームに還元しています。

平島様)業務システムプロジェクトは他行事例を参考にし、生成AIプロジェクトはアーキテクチャから新規で検討するという異なった進め方をしています。
また、AWS以外にもAzureにも取り組んでいます。多様な手法、技術に取り組める体制にしていきたいですね。

Fusic清家)銀行のような大きな組織において、複数のベンダーのサービスを使っていくことは、リスク管理としても可能性を広げていくためにもとても良い取り組みだと思います。
選択肢を知ることで、より良いものを選べるようになりますからね。
また、当時参加された方が教える側になってくださっているのもとても嬉しいです。
教えるというのは最も知識が要求されるので、更に成長する機会だと思いますし、そこに到達しているのが素晴らしいと思います。



今後の展望、Fusicに期待すること
石橋様)現在、当行ではクラウドジャーニー1期生が生まれている状態です。
今後新たなメンバーが増えていくにあたって、その1期生が後進を育てていく環境にしていければと思っています。
その時にもぜひFusicさんにご支援いただきたいですね。
また、これからクラウド活用プロジェクトが多数進んでいくので、ぜひ共同開発のような形でも、Fusicさんとご一緒できればと思っています。

平島様)少し違う角度のお話になりますが、Fusicさんと一緒にクラウドジャーニーに取り組んだことにより、Fusicさん以外にもクラウド関連のコミュニティと関わるようになりました。
先日のJAWS FESTA 2023 in Kyushuでの登壇もそれがきっかけです。
クラウド活用を一緒に進めていく仲間を、社内にも社外にも作っていきたいです。