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AI技術で人の心と体を健康に ヨクト株式会社

2022.10.18

AI・機械学習

ヨクト株式会社

 https://yocto-life.co.jp/


ヨクトは、世界中の人の心と体、人と人、人と社会を繋ぎ、紡ぐこと、

誰もが健康に暮らせる社会をミッションに掲げ、

健康に暮らすためのさまざまなサービスをリアルとオンラインで提供している企業です。

今回は重圧センサーやAI解析など最先端の技術を融合させた

「yoctoMat®︎」開発支援のインタビューです。


インタビュイー:

 代表取締役 河野 敬文様





当プロジェクト依頼のきっかけを教えてください。


河野様)以前、私はFusicでエンジニアとして働いていました。

その繋がりで現在も別のプロジェクトを一緒にやっているということもあって

今回の依頼に繋がりました。


私が在籍していた頃はAI/機械学習の事業はなかったんですが

最近、福岡のAI/機械学習系のコミュニティの中でFusicの噂をよく聞くようになって。

それで、一度相談してみようと思ったことがきっかけです。

依頼していた別のプロジェクトもうまくいっていたので、

特に心配することもなく、安心してお任せできました。


依頼内容について教えてください。


河野様)わたしたちは、ヨガの世界にサイエンスを入れてデータやエビデンスを集め、

感覚に頼る部分から、より客観的な指標で指導をできるようにすることを目指しています。


ヨガの指導の中には、その人に合わない無理なフォームで健康を損なってしまうというケースも見受けられます。

その人の健康寿命に貢献するには、骨格・筋肉・体の癖・生活習慣など全体のバランスを鑑みた上でサポートを行い、

より科学的にヨガを捉える必要があると思っています。


そのステップとして、機械学習の技術でヨガのポーズが正しいのかどうかを判定するという仕組み作りに取り組んでいます。





元々大学の研究室と一緒に開発を進めていたのですが、
要求が高度になってきたのでFusicに依頼した背景があります。
ヨガのポーズには約8000万もの種類があって、いきなり全てを判定するのは難しいため、
まずは3種類に絞って判定できるようにするということに決めました。

マットの圧力値からヨガのポーズを推定したり
ポーズが正しいかどうかを機械学習で判定したりするというものです。

実際に依頼してみて結果はどうでしたか?

河野様)依頼時のふわっとしていたイメージが、しっかりと現実の要件に落とし込まれ、
思っていた以上の成果が出ました。

大学の研究室では、重心を出すのが難しいという意見がありましたが、
今回の依頼でそのハードルはクリアできました。
さらに新たな提案もいただき、ポーズ判定の精度向上にも繋がったのは今回依頼して良かった点です。

今回はデータが少ないため、データ拡張が必須でした。
その際、マット特有のノイズや人の圧力パターンを人工的に生成したデータを使うことで、判定精度が上がったんです。
あの提案が初期にサクッと出てきたのは、さすがだなぁと思いました。




担当した機械学習チームの対応はいかがでした?

河野様)レスポンスが早いですね。
週1回の定例ミーティングやSlackでの情報共有もあり、
進捗状況を常に教えてくれるので、安心してプロジェクトを任せられました。

わたしたちがやっていることへの理解も早いので、コミュニケーションが楽でしたね。
説明コストも馬鹿にならないじゃないですか。手戻りも少なくてよかったです。

そして機械学習に関する知見の深さと発想ですよね。
常に新しい手法を研究していて、様々な手法の組み合わせで提案してくれたので
今回のプロジェクトも予想以上の結果が出たと思っています。

今回のプロジェクトで印象に残っていることはありますか?

河野様)面白いなと思ったのが、鷲﨑さんが出したダンスの機械学習事例です。
ダンスを踊っている人の動画解析ですね。

鷲﨑) 人の画像から3次元空間の手や足の位置を推定する3D骨格推定の機械学習モデルですね。

河野様)それです。
あれができるとマット以外の3D空間情報でポーズ推定できるので、
正しい肘の位置や体の傾斜など、さらに精度が増すと思っています。

まだ技術的にリアルタイムでは難しいと思いますが、
例えば、オンライン受講の際にアバターを使って骨格を解析することができれば
カメラオフでも、正しいポーズかどうかアドバイスできるようになるかもしれません。
※オンラインレッスンでは、プライベートの観点から、カメラオフにされる方が多く
リアルでできるような指導がそもそも困難な点があります。

鷲﨑)iPhoneで動けば一番良いんですけどね、最近の機械学習モデルはiPadで動くものも増えているので。

濱野)iPadならLiDAR(レーザーによる物体検知システム)ついてるから、そっちの方が早いかもね。あ、あれは?エッジでやろうとしてた、Structure from motion。

鷲﨑)SFMですね、SFMはリアルタイムで・・・・

(終始Fusicメンバー2人の機械学習トークが続く。)




河野様)これなんですよ(笑)
こういう機械学習の会話って普段聞けないじゃないですか。
こんなディスカッションから新しい提案が生まれたり、新しい情報を教えてもらったり、
これが一緒にプロジェクトする上で面白いところですよね。

鷲﨑さんは、今回のプロジェクトで大変だったことはありますか?

鷲﨑)そうですね、データのアノテーションが一番大変でしたね。
多分、3000枚~4000枚ぐらいのデータを使っていたんですけど
信号値に対してバウンディングボックスをポチポチつけていくのが大変でした。

正確な機械学習モデルを作るには、そういう地道な作業が必要です。
きっとヨガの圧力データって世界でも珍しいデータなんじゃないですかね。
こういうデータを集めていくことが価値に繋がります。




最後に、今後のFusicに期待することを教えてください。

河野様)期待しかないですよ。
わたしが入社した頃は、社員数が12人くらいだったと思うんですが、今じゃ80人を超えているんですよね。
実際にFusicの外に出てみると、Fusicの大きさみたいなのを実感しますよ。

あの時はAI/機械学習事業はなかったのですが、今はしっかりと事業化されている。
今後も新しい技術…今で言えば、ブロックチェーンなどがあると思いますが
常に技術でリードして、様々な分野でその力を発揮していってほしいですね。

画像解析についても今後取り組んでいきたいと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いします!