みなさん、こんにちわ。
事業推進部門ビジネスプランニングチームの雜賀です。
2023年11月15日(水)に福岡で開催された
「Q-space Business Caravan 2023」に出展&登壇してきましたので、
その様子をレポートしたいと思います。
みなさん、宇宙ビジネスというと、まだ遠い感じがしませんか?
実は近年、国内の宇宙ビジネスは転換期を迎えつつあります。
政府も大きな予算をつけ、今まさに大きな成長を遂げようとしている分野です。
わたしたちFusicはすでに参入しており、これからより一層、力を入れたい分野です!
このレポートでは、Fusicの宇宙ビジネスへの取り組みも一緒にお伝えできればと思います。
Q-Space Business Caravan 2023
九州宇宙ビジネスキャラバン2023福岡 - Q-SPACE BUSINESS CARAVAN2023 FUKUOKA
加速する九州での宇宙ビジネスの取り組み
九州の各地域では、既に様々な宇宙ビジネスに関する取り組みが進められています。
・株式会社QPS研究所(資金調達累計額92億円、以下 QPS研究所)の小型衛星群の開発・運用による観測データ提供サービスの始動
・九州工業大学による小型衛星運用数6年連続世界1位(大学・学術機関)の獲得
・JAXA内之浦宇宙空間観測所から日本初の商業衛星を搭載したロケット打ち上げの実現
・大分空港によるアジア初の宇宙港(スペースポート)化
・佐賀県による地方自治体初のJAXAとの連携協力協定締結 など
当社もQPS研究所の地上局システムの構築やJAXAの衛星データのクラウドプラットフォーム構築支援など
様々な宇宙ビジネスを事業として支援をしています。
産学官を巻き込んだ九州の宇宙ビジネス振興の場
2040年には100兆円以上の産業として成長が期待される宇宙産業。
九州地域での振興をより図るため、2023年6月には
日本最大の宇宙国際会議「第34回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)」が
福岡県久留米市で開催されました。
既に取り組みをされているプレーヤーに加え、
これまで馴染みのなかった新しい民間企業や大学などの次世代の担い手が集い、
情報・意見交換の場、ネットワーキングの場となる
「九州航空宇宙開発推進協議会 設立30周年記念/第2回九州宇宙開発ビジネス交流会」の位置づけとして、
今回のイベントが立ち上がりました。
イベントでは、元・JAXA宇宙飛行士の山崎 直子さんのキーノートを含む講演、
全4テーマのパネルディスカッション(Session03で当社代表取締役社長の納富が登壇)、
そして、協賛社による展示やプレゼンテーションが行われました。
イベントは開催前から注目度が高く、オフラインでの参加枠はすぐに予約いっぱいになったそうです!
当日も会場には多くの方が来場され、宇宙ビジネスへの関心の高さを感じました。
私も色々な方とお話しさせていただいたのですが、
全国各地から、自治体関係者、研究者含め、様々な職種の方にお会いすることができました。
セッションのご紹介
キーノート(基調講演)
山崎直子さんによるキーノートでは、過去から現在に至る世界の宇宙ビジネスの状況や
宇宙開発の未来について講演されていて、とてもわかりやすい内容で興味深かったです。
パネルディスカッション
セッションタイトル
Session 01:宇宙ビジネス創出推進自治体の現在地と目指す姿
Session 02:ものづくりからの宇宙ビジネス視点
Session 03:衛星データ利用からの宇宙ビジネス視点
Session 04:衣食住からの宇宙ビジネス視点
当社の納富はSession03に参加し、宇宙ビジネス参画のきっかけや
現在行っている衛星データを活用したソリューション事業について説明しました。
今回の参加者の中には、宇宙ビジネスをやってみたいがどこから手をつけて良いかわからないという方も多くいらっしゃいました。
そんな方々に向け、パネラー登壇された各企業での宇宙ビジネスのはじまりをお話しする場面があり、
特に印象深かったエピソードをピックアップさせていただきます。
かくいう当社では、納富が元々宇宙ビジネスに興味があり、
衛星開発をしているQPS研究所とオフィスが近いことがきっかけで、
Facebookを通じて、同社の大西社長に納富がメッセージを送ったことが最初の始まりでした。
そこから情報交換を重ね、当社が持つクラウドの技術で事業を支援できるのでは、という話になり
同社の地上局システムの開発支援をさせていただくまでになりました。
「1人の発案者の提案が、大企業で宇宙ビジネスを始めるきっかけとなった」というエピソードが印象的だったのは、
九州電力株式会社でテクニカルソリューション統括本部 イノベーショングループの主任を務める村上 和磨さんです。
村上さんは九州電力でも宇宙ビジネスをやったらおもしろんじゃないかと考え、
上長にこれから宇宙ビジネスが来ると思うのでやってみたいとお話しされたところ、
「面白い、やってみたらいい」という二つ返事で宇宙ビジネスへの参画に至ったそうです。
大企業では、色々な会議や稟議を通して事業が始まるケースが多いのかと思っていたので
そのスピード感には驚きました。
すでに宇宙ビジネスをされている企業様の特徴はいくつかあります。
1. 元々航空宇宙工学を学んでいた方や航空宇宙工学の研究室のご出身の方、宇宙産業のエンジニアだった方が独立されて起業した会社
2. 自社の独自の技術を宇宙ビジネスに転用する会社
3. 宇宙が好きで、宇宙ビジネスを始めた会社 など
私自身が宇宙ビジネスに携わる中、この事業の裾野を広げるためには2,3の企業の参画が必要だと感じています。
少しでも宇宙ビジネスにご興味のある企業様は一緒に推進して行けたらと思っています。
そして、当社のメンバーとして宇宙ビジネスに取り組みたいという方も大歓迎です!
ブース出展
当社でご紹介した宇宙ビジネスの事例は以下です。
・衛星データを受信・蓄積する地上局システム構築
こちらはQPS研究所の地上局システムを構築したプロジェクトです。
当プロジェクトでは、クラウド事業者として日本で初めて「衛星リモートセンシング記録を取り扱う者」の認定を取得しました。
・衛星データを保存するクラウドプラットフォームの構築
研究所で保管する衛星データのデータプラットフォームの構築プロジェクトでは、
クラウドでのデータ保存、ETL、ダッシュボード構築、API連携など、
データをセキュアな環境で活用しやすい形で提供する支援を行いました。
・衛星データの分析・解析によるソリューション開発
電通グループとJAXAと一緒に新たなマーケティングソリューションの実証実験をしています。
Fusicは衛星データの解析を担い、電通グループへと解析データを提供しています。
展示の様子
▶︎Fusicの宇宙ビジネスをまとめた資料です。
▶︎実物大の衛星模型を展示していたQPS研究所。展示の見せ方やクリエイティブなどが素晴らしくブランディングがとても勉強になります。
▶︎QPS研究所の衛星を開発している久留米の製造企業を中心としたe-SETのみなさま。実際に使用されている部品の材料を当てるクイズもあり、子供でもわかりやすくモノづくりを学べる展示は勉強になりました。タングステンという材料を持ったらびっくりするほどの質量でした。
▶︎東京大学発の小型衛星開発企業のArkEdgeSpace。多種類複数の人工衛星生産体制を構築し、累計調達額は27億円にもなる現在注目の宇宙スタートアップ企業です。
宇宙ビジネスの今後
さて、直近の日本の宇宙ビジネスは大きな転換点を迎えています。
政府はJAXAに10年で1兆円規模の「宇宙戦略基金」を設置することを発表しました。
これにより、民間企業や大学などの支援を行い、国内の宇宙ビジネスを活性化させることを目指しています。
また、政府は国内の宇宙関連市場を2030年代の早い時期に4兆円から8兆円へ倍増させることを目標に掲げています。
このように、政府も宇宙開発に本腰を入れて臨む姿勢であることが伺えます。
NHK:政府 JAXAに10年で1兆円規模の「宇宙戦略基金」設置へ
しかしながら、日本の宇宙ビジネスを取り巻くエコシステムは
アメリカに比べるとまだまだ規模は小さい状況です。
今後多くのプレーヤーが参入することが予想されますし、
さらにAI技術や様々な技術の進歩とともに新たな参画の仕方も増えてくると思います。
当社でも、宇宙ビジネスの基盤を広げながら、ビジネスを拡大していく予定です。
今後の当社の活動にご期待ください。