こんにちは!IoTチームの関口です。
今回は、IoT/先端技術チームで行なっているキャベツ圃場モニタリングデバイス、通称「キャベツまもる君」の開発に関してレポートします。
開発の背景
当社はWebシステム開発やクラウド事業のほか、機械学習と衛星画像を用いて、農作物の生育状況を把握する取り組み(*1)を行なっています。
衛星画像を入力値としたキャベツの生育モデルを作るためには、現地に赴き、衛星画像と現地のキャベツの生育段階を比較する必要がありますが、毎日現地に赴くことはできません。
そこで、人間による計測の代わりに現地で測定してくれるデバイスを開発することになりました。
(*1)衛星データ活用によるテレビ広告の高度化と需給連携に向けた取り組みを開始
「キャベツまもる君」の名前の由来
2022年からスタートしている当社での棚田の活動でもIoTデバイスを設置しています。それが「田んぼまもる君」です。
棚田の活動に関しては、いくつか記事を公開しておりますのでご覧ください!
なぜ棚田を始めるのか?(Fusicってなんしようと?)
https://fusic.co.jp/doings/337
棚田活動記(Fusic オープン社内報)
https://fusic-no.notion.site/80917e668f504df3ab3a376a3298809d
今回、対象となる農作物は「キャベツ」です。
そこで、「田んぼまもる君」にあやかって「キャベツまもる君」と命名しました。
「田んぼまもる君」の技術的な解説は、Fusic Tech Blogで発信しています。
実際の田んぼの画像
この写真は「田んぼまもる君」で実際に撮れた棚田の写真です。水滴や雑草も写っていますが、稲穂が画面右側に広がっていることがわかります。
デバイス制作風景
デバイス制作風景を紹介します。
「田んぼまもる君」は数名で分担し開発しましたが、「キャベツまもる君」の制作・開発は、ほぼ私1人で行いました。
社員のほとんどがPCに向かって仕事している中、社内で1人だけガチャガチャと筐体をいじっていたので、目立っていたようです(笑)
色々な方が興味を持って質問してきてくれて、Fusic社員の好奇心の高さを改めて感じました。
このような感じで、筐体を広げて作業していました。
太陽光パネルのチェックをしている様子です。
パーツの一部を3Dプリントしています。ちょっとした足りないジョイントパーツや、簡易的な治具を作るために活用しました。
設置作業
現場となるキャベツ圃場は糸島にあり、当日は当社エンジニアの石橋の車に筐体を載せて設置に向かいました。
11月初旬でしたが、とても暖かく天気も良かったため、絶好の設置日でした。
設置を行う時の天気は割と重要で、とくに足場が悪い環境で設置を行うと怪我をしたり、筐体を壊したりする危険性があるため、設置当日の天候に恵まれ、運がよかったと思います。
到着して荷物を下ろし、まず土台となる杭を打ち込みます。
土台となる杭を打ち込んでいる様子です。この黄色いハンマーがとても役に立ちました。
杭は二本の単管パイプを組み合わせて地面に差し込んでいます。
完成。圃場を俯瞰するために、1mくらいの高さに筐体を設置する必要があります。
杭を打ち終わったら「キャベツまもる君」の本体を杭に取り付け、太陽光を効率的に浴びることができる方向に合わせます。
PCからアクセスして初期設定を行ったら作業は終了。こんな野原でPCを開く機会はあまりないので、とても新鮮でした(笑)
設置のその後
設置をした当日にはまだキャベツが定植していませんでしたが、その翌日には若い苗が定植されていました。
その写真もしっかりと送られてきました。
設置翌日(11月初旬)の様子。よく見ると定植しているのがわかります。
そして1月、見事に大きくなっている姿が確認できました。もう少しで結球が大きくなる段階になるので、それを毎日確認できるのが楽しみです!
記事の宣伝
今回の「キャベツまもる君」の技術的な記事は、Qiita技術ブログにSORACOMに関する内容を載せています。
pi-fieldとSORACOMを使ってキャベツを見守る(soracom編)(Qiita)
https://qiita.com/skymer156/items/70a60b2a9deae27e7474
また、筐体やシステムに関する内容をFusic Tech Blogに記載予定です。
そちらもあわせてご覧ください!